マッチポイント

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たまには映画の話でもしてみようかと思います。
これはウディ・アレンの映画です。


舞台はロンドン。
元プロテニス・プレイヤーのクリスは上流階級向けのテニススクールで
コーチを始めます。

そこでクリスは生徒である(と言っても同い年くらいの)大金持ちの息子トムと親しくなり
トムの妹クロエと付き合うようになります。
しかしクリスはクロエと付き合いつつも
トムの婚約者であるノラに惹かれ、ついには深い関係に。

その後ノラはトムと破局し、ロンドンを去ります。
一方、クリスはクロエと結婚してクロエとトムの父が経営する
会社に雇われてその才覚を発揮しどんどん社会的地位を確立していきます。

そんな折、クリスはロンドンに戻ってきていたノラと偶然に美術館で再会し
またもノラと関係を持ってしまいます。

ノラとの愛欲を取ればクロエを失うことになり、
それはすなわち確立しつつある社会的地位も手放すことをも意味します。
かといってノラとの関係を断ち切ることも出来ない。

さらにノラの妊娠が発覚して。。。



というまあストーリー自体はよくありそうな映画です。

ただそこはさすがウディ・アレン

よくありそうなストーリーだけに視聴者が今後のストーリー展開をどう予想しているのか、
彼は全てお見通しで
視聴者を弄ぶ気満々で意味ありげな伏線を張り巡らした上で
視聴者を振り回します。

ストーリー自体が面白いとか
登場人物に感情移入できるとか
映画全体を通して何か詩的なメッセージが貫かれているとか
そういう映画ではありません。

ウディ・アレンといういい大人の
なぞなぞ好きな子どもみたいな遊び心を
堪能する映画だと思います。


この作品ではテニスのコードボール(ネットに当たったボール)が
あちら側のコートに落ちるか、こちら側のコートに落ちるかで運命は大きく異なる
というシーン・フレーズが非常に重要な役割を果たしているのですが
ジョジョの奇妙な冒険」の作者荒木飛呂彦先生も
このシーンが印象的だったらしく
今連載中のジョジョ第七部スティール・ボール・ラン
明らかにこの映画に影響を受けていることが読み取れるシーンを描いています。
興味のある方は探してみて下さい。



あとこの映画、ノラ役のスカーレット・ヨハンソンがかわいい。


いやあ、かわいい。