パクリとオマージュとアレンジとサンプリングとあといろいろ

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「これは何々に似ている」
とかなんとか僕もよく言います。

例えば
ミハラの特定の商品はマルジェラの過去の商品にそっくりだとか
(受け売りですが)マルジェラの近年のコレクションはデビッドボウイだとか
ヨウジヤマモトNY店はゴードン・マッタ-クラークのsplittingだとか
HUNTER×HUNTERのシャウアプフはバキのドイルだとか
JOJOってアントニオ・ロペスだよねとか。


何かを批評をするということは
何かを比較して類型化することだと言ってもいいのかもしれません。

ある事象について事象内で比較して類型化して
さらに既存の理論と比較して議論をすすめるわけです。
その一般化の過程自体、勿論批判の対象になるでしょうし
事象の一般化可能性も充分に議論されるべきでしょう。


何が言いたいかというと
批評するという行為自体が比較・類型化を含むものである以上
ある物が他の物と比較され類似性を指摘されるのは仕方ないのでは?
ということです。

更に言えば
似てるなら似ててもいいんじゃない?
ということです。

勿論ブランドコピー品のように他者の権利を損なうものは
この限りではありませんが。


ただ類似性を当事者が意識しているなら
その点は明記・明言して欲しいです。
これは○○へのオマージュである。とか
○○を現代風にアレンジした。とか。

もし当事者が類似性を意識せずに作った物が
偶然にも他の物と類似していたなら
それを批評する人はそのことに気付いた上で
独創性(何であれ何かを最初にやるということは大変なので)を
適切に評価して欲しいです。

コレ、あれに似てる!パクってる!コイツありえん!
というのでは何も出来なくなってしまう気がします。
本人が類似性(裏返せば独創性)に最大限に意識的であり
本人が気付かない場合は他者がそれを指摘し評価の際の参考とする。
そういう姿勢が必要なのではないでしょうか。


長々と書いてきましたが
なんでこんなことを書いたのかというと
JLGDAレザーグッズデザインアワード2008のデザインクリエイティブ賞受賞作が
A'N'Dのパンプスバッグ(写真)にそっくりじゃない?
と思ったからです。
公式サイトへのリンクはこちら↓
http://www.jlgda.com/result/05.html

確かにA'N'Dのパンプスバッグがパンプス風のバッグであるのに対し
受賞作の方は靴でもありバッグでもあります。
そこは決定的に違うし受賞作の方が凝っていると思います。
でも受賞作が既に結構有名なA'N'Dのパンプスバッグに似ているということを
審査員はちゃんと考慮したのでしょうか。
オリジナリティが高いという審査コメントが少し気になりました。