ファッション学のすべて

イメージ 1

これは僕が大学時代にダブルスクールしていた学校の入学時に教材として買わされた本
「ファッション学のすべて」です。
すごい名前です。
教材として買わされた割に授業では使われませんでした。
自分で勉強しろということでしょうか。
自ら学ぶことは大事ですけどね。。。
それなら教材を自分で選ぶ所からやらせた方が。。。

愚痴から入ってしまいましたが
この本自体はなかなか面白いです。
「モードの迷宮」でおなじみの鷲田清一が編纂した本で
複数の執筆者がそれぞれ、ファッションデザイナー、写真家、映画監督、思想家、モデルなどの人々を
その人達の服や作品中心ではなく歴史や哲学的背景を中心として記述した本です。

取り上げられている人々は
ファッションデザイナーは、ココ・シャネル、クリストバル・バレンシアガをはじめ
ジョルジオ・アルマーニヘルムートラングなど。
勿論アントワープ・シックスやマルジェラも入っています。

映画監督は、ヴィム・ベンダース(「都市とモードのビデオノート」がある以上入れざるを得ません)、
ジム、ジャームッシュなど。

ファッションデザイナーだけでなくこういったファッションに関わる人々(マドンナもニルヴァーナも)を
広く取り上げているのがこの本の魅力の一つです。

マルジェラの担当者は矢張り!平山景子さんです。
マルジェラ関連の話になると常にその姿が見え隠れする方です。

-------------------------------------------------------------------------------
平山景子プロフィール
資生堂宣伝部入社。花椿の編集に携わりながら、
ファッション・イベント、アートの展覧会を企画。
著書に「パリコレ51人」(ギャップ出版)がある。
ファッション・ディレクターとして活躍。
-------------------------------------------------------------------------------

一人につき1~3頁という限られた紙面で
デザイナーの哲学的背景について語らなければいけないので
表層的な議論に終始しているのは仕方ない。
ただ含蓄に富んだ表現が多いので読み手に背景知識があれば
深く読み込むことも可能です。

個々のデザイナーがどんな作品を作っているかを知りたい方には他の本のほうがよいでしょうが
個々のデザイナーがファッションという大きな枠組みの中でどのように位置づけられるのかを
知りたい方にはうってつけの一冊です。