<殺し文句>から入るブログ入門

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写真は鷲田清一×永江朗の対談集
「てつがくこじんじゅぎょう <殺し文句>から入る哲学入門」です。

有名な思想家の有名な台詞、
よく意味は分からないけどなんだか格好いい台詞について
永江朗さん(宝島出身のライター)が鷲田清一さん(哲学者)から
個人的に講義を受けるという本です。

「これを読んだら思想家の考えを広く浅く理解できるかも」
と思って購入したのですが、実際は背景知識がないと
これだけでは思想家の思想を理解するのは難しいと感じました。
そういう位置づけの本じゃない。

「<殺し文句>とその発言をした思想家の生き方を軽妙に哲学する本」
かなと。

哲学・疑問マニアの方には面白いかもしれませんが
哲学に興味はない方にはつらい本かもしれません。
そう考えるとそもそも哲学・疑問マニアは硬い文章も苦ではない人が多いでしょうから
ここまでやわらかくする必要が果たしてあるのか?という気もしてきます。



この本で僕が気になったのは思想家の<殺し文句>よりも
対談の中で鷲田清一さんが発した<殺し文句>。

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(自分が大学生の頃)やっぱりサルトルは格好いいんですよ。センセーショナルに問題提起をするから。
それで「この人はどこへ行くんやろう」というのが、
僕の「自分はどこへ行ったらいいんやろう」というのと重なって、
サルトルの行く末がすごく気になった
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この<殺し文句>の「サルトル」と言う言葉を「マルジェラ」に置換すると
ファッションブログといいつつ
最早マルジェラブログになっているこのブログを書いていて
僕が感じることと全く同じだなと思いました。

このブログを書き始めた頃(ほんの半年前ですが)僕が漠然と興味を持っていたのは
「何を着るか」
「どこのどの服がいいか」
「なぜその服がいいか」
(換言すればディスプロポーションと如何に付き合っていくか)でした。

でもブログを書き続け、コメントを通して皆さんから色々なことを教えて頂いているうちに
「マルジェラ、或いは未だ見ぬポスト・マルジェラがどこへ行くのか」
「そして、自分はどこへ行くのか」
へと興味の方向性が少しづつ変移してきたなと感じます。


現在の興味の方がより俯瞰的な立場であることは確かですが
それが以前のものより優れたものかどうかはわかりません。

ただ視点が増えたのはうれしいことです。

これも皆さんのおかげです。

今後とも宜しくお願いいたします。

と、何の節目でもないのに思いました。