写真は
安土桃山時代末期から江戸時代初期にかけて活躍した文化人
古田織部作
大井戸茶碗銘須弥です。
別名十文字とも呼ばれる茶碗で
元々もっと平らな形状だったものを上部から見て十文字に割り
縁の部分を縮めて立体的に成形した上で漆で接いだものです。
形が気に入らないだけなら新しいものを作りなおせばいいはずです。
しかし既に形あるものを一度破壊し、それを再構築することで
元の茶碗にも、新しく作りなおした茶碗にもない
美しさと精神性を付与する。
どこかで聞いたような話じゃありませんか?
物事を突き詰めていった時に到達するところは
場所性も時代性も超越しているのかもしれない。
そんな気がしました。