地産地消とダブルメジャー
「地産地消」とは「地域生産地域消費」の略だそうです。
経済的側面から見れば
外部(国外を含む)からの輸入に頼らず
地域で消費するものは地域で生産し、輸送費を抑えることで
エンゲル係数を下げるというメリットがあります。
また国内の農業生産を支持するための方策としての側面や
生産者と消費者の距離が接近することで食の安全を確保するという側面もあります。
地産地消はもともとは農業・水産業に用いられてきた概念ですが
近年ではファッション業界でも同様の概念が見られます。
日本の職人の技術を見直そう
日本の縫製工場を守ろう
という旨の記事が近年、雑誌や書籍で多く見受けられるようになりました。
このような言説の背景には
海外工場の人件費の向上
メイドインジャパンという付加価値の付与
があるのでしょうが
基本的には農・水産業における
地産地消と同様の発想であると思われます。
ファッションにおける地産地消
日本の職人・工場の再評価
は果たしてうまく機能するのでしょうか。
僕は専門家ではないのでここらへんの議論は他の方にお任せしますが
個人的に重要だと思う点を一点挙げてみたいと思います。
ウェブマガジン オウプナーズにおいて
ミハラヤスヒロのデザイナー、三原康裕が
「三原康裕的日本モノづくり」という連載を組んでいます。
サイトへのリンクはこちら↓
http://openers.jp/fashion/miharay/
この連載の中で三原康裕とテーラーアンドカッター有田一成が対談しています。
その中で以下のような会話がなされています。
-------------------------------------------------------------------------------------------
三原 この連載では“メイド・イン・ジャパン”について掘り下げていきたいと思っているんで、
そのあたりを有田さんにもお訊きしたいんです。
有田さんはイギリスと日本のスーツで、どんなところがいちばんちがうと感じましたか?
有田 やはりバランスだと思いますね。仕立てなどはいわれるほどは変わらないと思うんですよ。
でも、バランスだけはセンスなんですよね。
たとえば着丈を長くするとか、ゴージ位置を高くするとか、
それこそがぼくはオリジナリティだと思うんです。
それに勉強したのはイギリスですが、ぼくじしんもメイド・イン・ジャパン。
本場を見て知っているからこそ可能なじぶんなりのオリジナリティで、
いつかはヨーロッパで評価されたいと思いますね。
三原 なるほど。海外で経験を積んだ人は帰国してもその経験だけを押し通そうとしがちですが、
そうした経験を踏まえたうえでメイド・イン・ジャパンとしてオリジナリティを表現しようとする、
有田さんの姿勢にはとても共感します。
-------------------------------------------------------------------------------------------
地産地消は重要ですし戦略としても面白いと思うのですが
一個の地域の特色、換言すれば専門性(major)、だけを前面に押し出したモノづくりをしても
成功する可能性はあまり高くないように思います。
「メイドインジャパンだよ。仕事も細かいよ。これが日本の職人の心意気だよ。」
というだけでは強みが足りない気がするのです。
それだけで成立するなら地方の特産品はどれももう少し売れているはずです。
やはりそこには二つの専門性の組み合わせ(double major)
或いは二つを組み合わせたより高次の領域の創出が必要なのだと思います。
上記のテーラーアンドカッター有田さんが言うように
本場(イギリス)を見て知っている自分と
メイドインジャパンの自分、
その二つを混ぜ合わせてどこに落とし込むか。
これこそが重要なスタンスではないかと思うのです。
失われつつある産業の復興ではなく
新領域の創生として地産地消を捉えることができるか。
そこから何が生まれるのか
とても興味があります。
追記:
ダブルメジャーの重要性はファッションに限った話ではないと思います。
この重要性を口酸っぱく僕に説いてくれたのは義父ですが
僕の人生の羅針盤となってくれている気がします。
感謝しております。
ただの酒好きじゃなかったんですねw
経済的側面から見れば
外部(国外を含む)からの輸入に頼らず
地域で消費するものは地域で生産し、輸送費を抑えることで
エンゲル係数を下げるというメリットがあります。
また国内の農業生産を支持するための方策としての側面や
生産者と消費者の距離が接近することで食の安全を確保するという側面もあります。
地産地消はもともとは農業・水産業に用いられてきた概念ですが
近年ではファッション業界でも同様の概念が見られます。
日本の職人の技術を見直そう
日本の縫製工場を守ろう
という旨の記事が近年、雑誌や書籍で多く見受けられるようになりました。
このような言説の背景には
海外工場の人件費の向上
メイドインジャパンという付加価値の付与
があるのでしょうが
基本的には農・水産業における
地産地消と同様の発想であると思われます。
ファッションにおける地産地消
日本の職人・工場の再評価
は果たしてうまく機能するのでしょうか。
僕は専門家ではないのでここらへんの議論は他の方にお任せしますが
個人的に重要だと思う点を一点挙げてみたいと思います。
ウェブマガジン オウプナーズにおいて
ミハラヤスヒロのデザイナー、三原康裕が
「三原康裕的日本モノづくり」という連載を組んでいます。
サイトへのリンクはこちら↓
http://openers.jp/fashion/miharay/
この連載の中で三原康裕とテーラーアンドカッター有田一成が対談しています。
その中で以下のような会話がなされています。
-------------------------------------------------------------------------------------------
三原 この連載では“メイド・イン・ジャパン”について掘り下げていきたいと思っているんで、
そのあたりを有田さんにもお訊きしたいんです。
有田さんはイギリスと日本のスーツで、どんなところがいちばんちがうと感じましたか?
有田 やはりバランスだと思いますね。仕立てなどはいわれるほどは変わらないと思うんですよ。
でも、バランスだけはセンスなんですよね。
たとえば着丈を長くするとか、ゴージ位置を高くするとか、
それこそがぼくはオリジナリティだと思うんです。
それに勉強したのはイギリスですが、ぼくじしんもメイド・イン・ジャパン。
本場を見て知っているからこそ可能なじぶんなりのオリジナリティで、
いつかはヨーロッパで評価されたいと思いますね。
三原 なるほど。海外で経験を積んだ人は帰国してもその経験だけを押し通そうとしがちですが、
そうした経験を踏まえたうえでメイド・イン・ジャパンとしてオリジナリティを表現しようとする、
有田さんの姿勢にはとても共感します。
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地産地消は重要ですし戦略としても面白いと思うのですが
一個の地域の特色、換言すれば専門性(major)、だけを前面に押し出したモノづくりをしても
成功する可能性はあまり高くないように思います。
「メイドインジャパンだよ。仕事も細かいよ。これが日本の職人の心意気だよ。」
というだけでは強みが足りない気がするのです。
それだけで成立するなら地方の特産品はどれももう少し売れているはずです。
やはりそこには二つの専門性の組み合わせ(double major)
或いは二つを組み合わせたより高次の領域の創出が必要なのだと思います。
上記のテーラーアンドカッター有田さんが言うように
本場(イギリス)を見て知っている自分と
メイドインジャパンの自分、
その二つを混ぜ合わせてどこに落とし込むか。
これこそが重要なスタンスではないかと思うのです。
失われつつある産業の復興ではなく
新領域の創生として地産地消を捉えることができるか。
そこから何が生まれるのか
とても興味があります。
追記:
ダブルメジャーの重要性はファッションに限った話ではないと思います。
この重要性を口酸っぱく僕に説いてくれたのは義父ですが
僕の人生の羅針盤となってくれている気がします。
感謝しております。
ただの酒好きじゃなかったんですねw