ファッションにおけるキャズム
僕は技術経営については全くと言っていいほど知らなかったのですが
非常に楽しく読むことができました。
非常に楽しく読むことができました。
一番面白かったのが「キャズム理論」に関する記述。
「ハイテクノロジーを使う顧客は
連続的にではなく、色々な層の顧客が不連続に存在している。
より多くの顧客にハイテクノロジーを使ってもらう(購入してもらう)ためには
ただ漫然と顧客全体にテクノロジーをアピールし続けるのではなく
不連続な顧客の層の間にある溝(キャズム)を飛び越えるための努力が必要だ」
連続的にではなく、色々な層の顧客が不連続に存在している。
より多くの顧客にハイテクノロジーを使ってもらう(購入してもらう)ためには
ただ漫然と顧客全体にテクノロジーをアピールし続けるのではなく
不連続な顧客の層の間にある溝(キャズム)を飛び越えるための努力が必要だ」
左から見ていきます。
最後に「ラガード(ハイテク嫌い)」。
これはハイテクに見向きもしない集団です。
これはハイテクに見向きもしない集団です。
そして、キャズム理論によると
ハイテクノロジーが普及していく過程で一番超えるのが困難な溝(キャズム)は
「アーリー・アドプター(ビジョン先行派)」と
「アーリー・マジョリティー(価格と品質重視派)」の間にあるというのです。
ハイテクノロジーが普及していく過程で一番超えるのが困難な溝(キャズム)は
「アーリー・アドプター(ビジョン先行派)」と
「アーリー・マジョリティー(価格と品質重視派)」の間にあるというのです。
キャズム理論の面白いところはこれがそのままファッションに適用できるところです。
ためしに上記の各集団の定義をファッションに置き換えてみましょう。
まずは「イノベーター(ファッションオタク)」。
新しいファッションに興味があって実用性は二の次で
新しいファッションに飛びつく集団のことです。所謂オタク。
最新ファッショントレンドに常にアンテナを貼っているエディターやスタイリスト、トレンド好きの服オタなんかが
ここに当てはまりそうです。
新しいファッションに興味があって実用性は二の次で
新しいファッションに飛びつく集団のことです。所謂オタク。
最新ファッショントレンドに常にアンテナを貼っているエディターやスタイリスト、トレンド好きの服オタなんかが
ここに当てはまりそうです。
その右隣が「アーリー・アドプター(ビジョン先行型)」。
早い時期に新商品を買うけれども、イノベーターほど新しいファッション指向ではなく、
トレンドの利点を理解・評価した上で購入する集団のことです。
トレンドを踏まえた上で本当にそれが格好いいか、自分に似合うかを考える服好きが
ここに当てはまりそう。
早い時期に新商品を買うけれども、イノベーターほど新しいファッション指向ではなく、
トレンドの利点を理解・評価した上で購入する集団のことです。
トレンドを踏まえた上で本当にそれが格好いいか、自分に似合うかを考える服好きが
ここに当てはまりそう。
次が「アーリー・マジョリティー(価格と品質重視派)」。
実利主義であり、アーリー・アドプター同様に実用性を重視しますが
他者の導入状況も確認しながら、トレンドを自分で導入するか決める集団です。
口癖は「コストパフォーマンス」な消費者がここに当てはまります。
実利主義であり、アーリー・アドプター同様に実用性を重視しますが
他者の導入状況も確認しながら、トレンドを自分で導入するか決める集団です。
口癖は「コストパフォーマンス」な消費者がここに当てはまります。
次がレイト・マジョリティー(みんなが着てるから派)。
所謂保守派で、業界基準が成立してからトレンドを導入する集団です。
ここにはセレクトショップオリジナルやマルイなどを好む集団が当てはまるでしょうか。
所謂保守派で、業界基準が成立してからトレンドを導入する集団です。
ここにはセレクトショップオリジナルやマルイなどを好む集団が当てはまるでしょうか。
最後にラガード(ファッション嫌い)
これはファッションに見向きもしない集団です。
「服なんか着れればいいじゃん。」な方々がここに当てはまりそう。
これはファッションに見向きもしない集団です。
「服なんか着れればいいじゃん。」な方々がここに当てはまりそう。
そしてファッションブランドにとってのキャズムは
トレンド好きな「ファッションオタク」と「ビジョン先行型」を取り込んだ後に
コストパフォーマンスにうるさい「価格と品質重視派」を
取り込めるかどうかにあるということになります。
トレンド好きな「ファッションオタク」と「ビジョン先行型」を取り込んだ後に
コストパフォーマンスにうるさい「価格と品質重視派」を
取り込めるかどうかにあるということになります。
うーん、たしかにこの溝は大きそう(^^;
「ハイテクノロジー」に適用されるキャズム理論が
このようにファッションにも適用できることと、
トレンドを作るようなファッションが「ハイファッション」と呼ばれることの間には
何か看過しがたい共通性のようなものがある気がします。
このようにファッションにも適用できることと、
トレンドを作るようなファッションが「ハイファッション」と呼ばれることの間には
何か看過しがたい共通性のようなものがある気がします。
さらに面白いのはユニクロの存在。
ユニクロは所謂ハイファッションブランドではありません。
ハイファッションブランドが上記の図で左から右へ顧客を拡大するものなら
ユニクロの顧客獲得の方向性は右から左。
まず、「服なんか着れればいいじゃん。」という層を取り込んで
コストパフォーマンス好きの「価格と品質重視派」まで至りました。
ユニクロは所謂ハイファッションブランドではありません。
ハイファッションブランドが上記の図で左から右へ顧客を拡大するものなら
ユニクロの顧客獲得の方向性は右から左。
まず、「服なんか着れればいいじゃん。」という層を取り込んで
コストパフォーマンス好きの「価格と品質重視派」まで至りました。
そしてキャズムを超えようと
デザイナーズインビテーションプロジェクトを実行してみたものの
いまひとつ「ファッションオタク」や「ビジョン先行型」を取り込みきるまでには至らず。
やはりここにキャズムを超える難しさがあるのかと思わせておいて
ハイテク素材のヒートテックの投入により
一気に「ファッションオタク」まで取り込んでしまったユニクロ...
デザイナーズインビテーションプロジェクトを実行してみたものの
いまひとつ「ファッションオタク」や「ビジョン先行型」を取り込みきるまでには至らず。
やはりここにキャズムを超える難しさがあるのかと思わせておいて
ハイテク素材のヒートテックの投入により
一気に「ファッションオタク」まで取り込んでしまったユニクロ...
恐ろしい子!!