masao shimizu 再構築デニムパンツ

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こちらはmasaoshimizuの再構築デニムパンツです。
今期14ssの新作で、
カラーはインディゴ(他にブラックあり)、サイズは2(マルジェラの46くらい)です。

かなり色落ちしたリーバイスのデニムを再構築したこのパンツ、
ディテールが凝りすぎていて、どこがどうなっているか正直わかりません。
ただ、色のトーンが統一されているのでデザインが主張しすぎることもなく、
何より履きやすいのが美点だと思います。
今朝届いたばかりなのですが、はっきり言って相当気に入りました。

以下、ディテールです。

まず目をひく右前のポケット。

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コインポケットを剥がした生地をポケットの内側に使用。
さらに剥がしたコインポケットの下半分をポケット上に再配置(多分)。

次にサイドシーム付近。

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既存のデニム生地(別のパンツから取ってきた?)を裏返して使って切り返し。

ベルト部分。

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持ち出しを作ってスラックスのような雰囲気に。
ボタンはいつものメタルボタン。

続いて後ろ身頃。

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ベルトと身頃のコントラストがきれい。
ぱっと見わかりづらいのですが後身頃も、既存のデニム生地を裏返して使用しています。

横から見た図。

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右が前身頃、左が後身頃。
切り返し部分で微妙に生地の雰囲気が異なっていることが伝わるでしょうか。
わかりづらい。本当にわかりづらい。

そしてもう意味すらわからないのがこの左後ろのポケット。

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フラップポケットになっているのかとおもいきや
フラップ部分は縫い付けられていて、その下から開く仕組み。
ポケットが浅く実用性は低め。入ってコインケースくらい。
もうデザイナーさんがやりたかっただけでしょう。
「変態」という言葉が脳裏をよぎります。

せっかくなので裏側も。

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前身頃。比較的普通でしょうか。
サイドの切り替えの処理が見えます。
この部分が履くと足に当たりますが、それほど気になりません。
こんなに凝っているのに履きやすい。ここにもデザイナーさんのこだわりを感じます。

後ろ身頃。

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生地を裏返して使用しているので、裏側のこちらがもともとの表地。
こっちが表でも色落ちが見えてかっこよかったかも?

こんな感じで、先シーズンの再構築コーデュロイパンツと比べても、圧巻の凝り具合。
あちらはまだ自分でも作れそうな気がしますが(できませんが)、これは本当に無理。
ここまでやる必要があるのか?という気はしますが、
なにやらデザイナーさんの矜持を感じるのでこれはこれでいいのではないでしょうか。


ただ、作り的に気になる点もいくつか。

まず一つ目は持ち出し部分の構造。

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ボタンがファスナーの延長線上にないのでファスナーの上端付近の生地に負担がかかりそう。
ファスナー直上にフックなんかがあると安心かもしれません。

次の画像は後ろ身頃を内側から撮ったもの。

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元々ポケットがついていた部分。
本当にきれいにポケットが取られていますが、ステッチ穴は残っている。
仕方ないとはいえ、テンションがかかる臀部付近だけに強度にやや不安が残ります。

あと、サイズが1と2のツーサイズ展開というのも体の大きな人にはマイナスポイントでしょう。
身長180センチ以上の人やマルジェラの48以上のサイズのパンツを履かれている人だと
履けるサイズがない。
僕もギリギリです。


と、ちょっと気になる点も書きましたが
トータルで見れば、冒頭で述べたように相当気に入っています。
masaoshimizu(特に再構築系のアイテム)は
マルジェラのアーティザナルとの類似点を指摘されることが多いのですが
両方に触れてみると、両者の違いにも気付かされます。

シルエットを直したり、パッチをしたり、ポケットを剥いだりしつつも
基本的には元の古着の形を残そうとしているように見えるマルジェラと、
古着を素材にしつつも、根本から新しいものに作り替えようという印象を受けるmasaoshimizu。
その立ち位置の違いのせいか、
マルジェラのアイテムにはどこかに野暮ったさがあるのに対し
masaoshimizuのアイテムには、現代風のサイバー感(表現力がなくて残念です)があります。
どちらが好きかは好みの問題でしょう。


このパンツ、凝った作りになっているので
トップスはシンプルに無地のTシャツなんかを合わせたいです。
こちらのショップのコーディネートがイメージ通り。