マルタンマルジェラ ⑭ ベルベットジャケット

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こちらはマルタンマルジェラ⑭ラインのベルベットジャケットです。

一口に⑭ラインといっても
⑩ラインより素材やディテールにこだわった商品群と
既存の服を当時のものに限りなく近い素材で再生産する商品群(レプリカライン)とに
分かれているようです。

こちらは前者のラインです。

触れていただけないが残念なほどの上質なベルベットです。
素材はコットン70%、レーヨン30%のベルベットで
やわらかさとしっかりした質感のバランスが絶妙です。

ベルベットは素材の良し悪しがごまかせない
素材だと思います。
このジャケット以外で最近僕がいいベルベットだなあと
思ったのは06-07AWのアレキサンダーマックイーンのジャケットです。
あれもいいベルベットでした。
しかしウェストシェイプが効きすぎていて
僕にはちょっとかっこよすぎたので
買いはしませんでした。

このマルジェラのジャケットはベルベットの質の高さ以外に
縫製の良さも際立っています。
手縫いの部分はそこまで多くないようですが
非常にしっかりと縫われていて安心感があります。
マルジェラのボタンは大体いつも水牛で
重厚感があってすごくいいのですが
このジャケットのボタンはまた一段といいもののように感じます。
(これは勢いに流されているだけかもしれませんが少なくともボタン付けは
⑩ラインより明らかに丁寧です)

このジャケットで1つ気になる点があるとすれば
脇下の汗パッドが身頃などと共地のベルベットであることです。
もともとアームホールも身幅も非常にタイトなので
ベルベットのパッドがここにあると
脇が窮屈に感じてしまいます。
汗パッドはベルベットじゃなく
普通のコットン素材にして欲しかった。
デザイン的にはベルベットでいいのですが。。。

また⑭ラインは高級感があって
とてもいい作りなのですが
個人的にはそこまで惹かれません。
「すごくセンスが良くていい服」
で留まっているような気がしてしまうのです。
確かに「すごくセンスが良くていい服」自体
なかなかないですからこれはこれで価値があるのですが
もうひとひねり欲しい!と思うのはわがままでしょうか。

⑭のレプリカは意義や志向性はわかるのですが
場合によってはパーツ一つ一つを
再現する必要があるらしくコストがかかってしまい
服としてのクオリティと値段が相場と一致していない時があります。
07SSのネイビージャケット(軽く20万越え)などはその典型だったと思います。