大学受験から学ぶこと

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僕が大学受験で大変お世話になった本
出口現代文入門講義の実況中継。

これだけで大学二次試験合格に必要な得点のうち、半分を稼いだと言っても過言ではないでしょう。

入試だけに限らず日常生活にも役に立つ良著だと思います。


この本(当時のもの)の中では
「しかし」というフレーズの後に書かれている内容に着目しろ
と書かれていました。

○○は△△だ。
しかし~である。

この場合、○や△は「フリ」です。
筆者の「イイタイコト」は「しかし」以降の「~」の部分。
だから「しかし」以降に注目しろと言うのです。

素晴らしい指摘です。


確かに少しでも賢明な人は自分の言い分をいきなり主張するより
適当な(且つ周到に準備された)誰かの意見を引用して
それに対して反論を述べる、といった図式を取りがちです。


学術論文においてもこの図式は有効で
まず先行の研究を引用した上で
「しかし」それらの先行研究が如何に不十分であるかを指摘し、
今実際に自分が実施としようとしている(多くは既に実施した)研究の意義を説明します。


僕も服の価値について触れるとき
偉大な(偉大でなければ否定する意味がない)エディスリマンのクリエイションを引き合いに出し
それを否定することで自分の好きなブランドのクリエイションを肯定するという図式を取ります。


ただこの図式だけでは
あるものの価値を主張する際には不十分です。


あるものの価値を主張するには
既存のものの価値とは異なる付加価値についてアピールするだけではなく
そのもの自身のオリジナリティについてアピールすることが必要です
(特に既存の価値自体が曖昧なファッションにおいては)。


でもそれは結構難しい。

既存の主張に対して穴を見つけて指摘することは簡単です。
さらに既存のものに付加価値を加えて提示することは簡単ではないですができないことはない。

しかし既存の主張に対して全く新しい発想を提示するのは非常に難しい。
だけどそれが楽しい。


既存の概念に対する対案としてではなく
既存の概念を飛び越えたクリエイション
既存の概念なんか完全に無視したクリエイション


そんなクリエイションをするデザイナーの誕生を願います。