ウェイキング・ライフ

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久しぶりに映画を紹介したいと思います。

リチャード・リンクレイター監督作品
ウェイキング・ライフです。
これは非常に説明しづらい映画なんですよね。。。


この映画は先にデジカメで実写映像を撮っておいて
後からそれにデジタルペインティングするという
何ともめんどくさい手法をとっています。


主人公は自分の部屋で夢から覚めても夢の中にいるという感覚から抜け出せない。
そして次第に彼は夢と現実の境界線を認識できなくなっていく。

どこまでが夢でどこまでが現実か。
人間はどこから来てどこへ行くのか。

主人公は自分の部屋を飛び出て
この胡蝶の夢のような問いかけを様々な人に繰り返します。
場面は唐突にめまぐるしく展開し
次々と登場する様々な人々が
それぞれに哲学的な持論を好き勝手に語ります。

脈絡も一貫性もありません。
答えはないのです。

キャッチコピーには
5分でブッ飛ぶ"視覚のドラッグ"ムービー!
なんて言葉が踊っていましたが
そんな軽い気持ちで見れる映画ではありません。
気軽な気持ちで見始めたらまず間違いなく寝てしまいますw


この映画に関しては
映像が斬新だ!とか
こんなの映画じゃない!とか
賛否両論わかれているようです。

たしかにこの映画は見ようによっては
哲学的メッセージをちりばめることで高尚な映画に見せかけようとした
「ブランド物の軽薄なロックT」
みたいな作品だと見ることもできますし
実際そういう批判も多いようです。
或いは映像が斬新なだけで実がない、と。

ただ僕的には、こういう答えのない映画や意味不明なもの
そういうものに囲まれながら生きていることを受け止められる人
そういう不完全でグダグダしたものを受け止めた上で進む道を選べる人が好きなんです。


実写映像にデジタル・ペインティングを施したのは
この映画のテーマである
どこまでが夢でどこまでが現実か
を映像でも表現するためだと思います。

つまり
どこまでが現実でどこまでがアニメか
それすらもわからないのでは?ということです。


世界はこの映画のように不完全でグダグダしていて
明確な区別なんか付けられないし絶対なんてものもない
それが辛いといって
保守的なおばちゃんの主張にすがるか
スピリチュアルに走るか
宗教に頼るか
それとも金を信じるか
あるいは氾濫する情報にさらされながら不毛さも受け入れつつ自分の信じられる道を探すか
いずれにせよ人生って大変だね

僕にはこの映画がそういうメッセージを持った(視聴者にそういうことを考えさせたい)
映画に思えました。


こういうの得意な方は是非。
そうでない方は、まあ気が向いたら枕を準備してどうぞw


追記:ちなみにうちの奥さんは全く興味を示しませんでした...orz(奥さんオチ)