シャーマンキング 完全版 27

今日はシャーマンキング完全版最終27巻の発売日でした。

2004年に未完のまま連載終了した同作品が
1.5巻分という大幅な加筆によって
ついに今日完結したわけです。

ストーリーはネタバレになるので書きませんが
ファンの方々も大満足の出来だと思います。


最終巻のあとがきには

「全て書き終えた今となっては、本当にやってよかったと思っています。
まずは何より完結できたこと。
ひろげたものを畳みきり、葉達(主人公達)が探し続けた答えを見つけられたこと。
ようやく彼らに安息を与えられたこと。
そして僕自身も成長できたこと。
自分ではなく、誰かのために描くということ。
あたりまえのことですが、これにより救われるのは
何より僕自身だということ。
そしてこの答えこそ葉達の探した答えであり、おのずと
作品の結末と結びついたこと。」

という作者の言葉が収められているのですが
このあとがきほど、この作品を適切にあらわすものはないと思います。


作者の言う「答え」というのは作品中では
「がんばりすぎないこと」
「なんとかなると信じること」
「自分のために戦っても自己愛を増大させるだけだということ」
「喜びも悲しみも怒りも憎しみも全て含んで人であるということ」
「憎しみの連鎖を断ち切るのは許しであり、愛であるということ」
「自分たちはちっぽけで世界は変えられないくらい大きいけど、それでもなんとかするしかないということ」
といったメッセージとして伝えられるものなのですが、
これは一度悩んだことのある人だからこそ
吐ける言葉なのかなと思いました。

未完のまま連載終了して、その重荷を背負って、重荷と向き合ったからこそ
こういった「答え」を作品の中に描き込めたのではないかと思います。


漫画版「悩む力」と言えそうな作品になっています。
大人の方にもおすすめです。