Broken record

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メゾンマルタンマルジェラの今期0910awのBroken record Tシャツ。
画像は大阪のセレクトショップ、Why are you here?さんからお借りしました。
http://www.why-lip.com/


最初に断っておくと、僕はこのTシャツをこの先も、恐らく買うことはないと思います。
やけに「グラフィックTシャツ」してるなあ
というのが僕の第一印象で、それは今でもあまり変わっていません。

でもなぜか、このTシャツのことが
ずっと頭から離れないのです。


割れたレコード。
音楽。破壊。ロック。
このTシャツから僕が受け取る表層的なイメージはそんな感じ。


でも、それだけな訳がない。

それだけだったら本当につまらない。


少し調べてみると
「Broken record」というのは、俗語で
「壊れたレコードのように同じ言動を繰り返すもの」
という意味があるそうです。


僕が今まで頂いたコメントの中で、
特に印象深いものの一つにtさんから頂いた下記のコメントがあります。

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「モードは変化であり、同一回帰は進化ではない」等の旨を述べた
超大御所デザイナーの言うとおり、常に変わり続けるものなのでしょうか。
しかし、コレクションをがらりとは変えずに半回転ずつの連続性を持たせながら、
定番コレクションを伴って進む我らがMMM、もしかして同一回帰もあり得るか…
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メゾンマルタンマルジェラ
シーズンごとにコレクションをがらりと変えることはせずに
連続性を持たせながら、定番コレクションを伴って、
さらに自己言及(過去の名作の復刻やアーカイブコレクション)を繰り返しながら
進んでいるように僕も感じています。

その連続性、自己言及のループを
「Broken record」と言っているのか。

それとも、デザイナーが代わる代わらないといったニュースを
2000年代前半から繰り返し報じているファッションにおけるジャーナリズムを
「Broken record」と言っているのか。

はたまた、同じことの繰り返しで閉塞した現在のファッション業界を
「Broken record」と言っているのか。


「単なるロックっぽいグラフィックT」という表層的なイメージと
思わず深読みしたくなる抽象的なメッセージ。

Broken record Tシャツは
消費者に対するメゾンの「レッスン」なのかもしれません。