スーツのクリーニングについて

はてなで、「ここでクリーニング屋でバイトしてた私が来ましたよっと」
という記事が盛り上がっています。
サイトへのリンクはこちら↓
http://anond.hatelabo.jp/20081018010245
続編はこちら↓ブクマコメントに丁寧に返信してくださっています。
http://anond.hatelabo.jp/20081020132450

記事の概要は

スーツをクリーニングに出しても
いわゆるドライクリーニングで汗は落とせないんだし
頻回に出しすぎると生地を傷めるだけですよ。

というもの。

この記事のすばらしいところは
ブラッシング→霧吹きでスーツを十分に湿らせる→陰干し
というドライクリーニングでは落とせない汚れへの対応策も記してくれているところ。


今回はこの記事について僕自身の理解のためにも
背景知識を交えつつ考えてみたいと思います。


クリーニング屋さんでスーツをクリーニングに出すと
一般的には、ドライクリーニングというのをしてくれます。

ドライクリーニングとは、「水」を使わないクリーニング方法のことで
普通の洗濯で使う「水」の代わりに
有機溶剤」という液体を用いる方法です。

ドライクリーニングの長所としては
・油溶性の汚れをよく落とすこと
・繊維の縮みが少ないこと
・色にじみが少ないこと
などが挙げられるそうです。


翻って、一般的に衣服の汚れと言われるものは以下の三つに分類されます。

1.水溶性の汚れ(汗など)
2.油溶性の汚れ(皮脂、口紅など)
3.不溶性の汚れ(ほこりなど)

このうち、ドライクリーニングでは水溶性の汚れはほとんど落とせません。
上記の記事において、ドライクリーニングでは汗は落とせない
という理由がここにあります。
しかし最初にも書いたようにドライクリーニングは油溶性の汚れ(油汚れ)には強いんです。
つまり皮脂(正確には皮脂の一部)は落とすんです。

あぶら取り紙が吸わない水っぽい汗はドライクリーニングでは落ちないけれど
あぶら取り紙が吸ってくれるあぶらギッシュなアレ(しつこいですが正確にはアレのうちの一部)は
ドライクリーニングで落とせることになります。

この点はクリーニング屋さんの名誉のためにも主張しておきたいところです。


上記の記事における
「ブラッシング」は、3の不溶性の汚れを落とす手段であり
「霧吹きでスーツを十分に湿らせる→陰干し」は、1の水溶性の汚れを落とす手段
(主たる目的はウールの復元力によってしわを取ることなのでしょうが)
と言うことができます。


ここまで見てきたように
はてなの記事は正しいです。
だからこその人気なのだと思います。素敵です。


と言いつつも僕は、スーツは消耗品と考える派なので
『「キレイにプレスをかけておく」くらいの気持ち』で
1シーズンに複数回クリーニングに出していたりします(^^;
加えて汗っかきなのでシーズン毎にウェットクリーニングにも出しています、はい。


追記:
このサイトがとてもわかりやすかったので参考までに。
http://www.vightex.com/rep/06/01a/index.html