ファクトリーブランドという選択

ファッションに関する言説のひとつに
ブランドが製造を依頼しているファクトリーブランドの服を買うのが賢い選択だ
というのがあります。

ブランド品とほぼ同等の品質で、ブランドネームがない分安価。
タグやロゴに群がるブランド厨と同類扱いされずに済み、
かといってブランドの存在自体を知らないわけではなく
むしろ自分はブランドの背景まで知っているんですよという姿勢もアピールできる。

2ちゃんのマルジェラスレでもたまに
マルジェラの高いカットソー買うくらいならピジャマで十分じゃね?
的な書き込みを見かけます。

つまりマルジェラ好きだったら
ニューヨークインダストリーのジャケットとパンツに
ピジャマクロージングのカットソーを合わせて
ブッテロを履けということですね、わかります。













だが断る





やっぱりブランド品とファクトリーブランドの商品は違うと思うんです。
デザイン(たとえそれがプリントだけであっても)も違うし加工も違う。
僕はピジャマの服も持っていますが
ピジャマは定番として安心して使える便利な服。
マルジェラは着て見て楽しい服。
ピジャマとマルジェラの価格差はブランドネームとタグのステッチの有無の差でしかないと
言うのはちょっと横暴です(そこまでは言ってないって?)。


それにもし仮にブランド品とファクトリーブランドの商品が同じっていうことになったら
極論すればマルジェラの服とヴィヴィアンの服は同じだって話になっちゃいます。
マルジェラ≒ニューヨークインダストリー
ヴィヴィアン≒ニュヨークインダストリー
マルジェラ≒ヴィヴィアン
という三段論法です。


やっぱり元をたどればほぼ同じ商品であっても
ブランドごとの色づけがされているからこそ
面白いし商品としても魅力を持つんだと思います。


ブランドのネームバリューなんかに踊らされずに
色付けがされる前の上質な服を買うといいよ。なんて
そんなにストイックにならなくてもいい気がします。
そこまで人目を気にしなくてもいいと思います。
僕はそれなら馬鹿になってうわべだけの差異(仮にそうであっても)に踊らされたいです。
だってそっちのほうが楽しいもん。