文章、あるいは映画の長さについて

僕は基本的に文章は短い方がいいと思っています。

例えば仕事で文章を書く時
初稿が15000字だったとします。
これを8000字にしてみる。
できれば5000字にしてみる。

必然的に重要なポイントだけが文章に残されます。
重要なポイントだけになると、文章の骨組みが露わになるので
自分が組んだ論理の矛盾点やあいまいな点を把握しやすくなります。
だから修正もしやすい。

結果、読む人にもわかりやすい文章になる。


ブログの文章も同じで、なるべく短い方がいいと思っています。

文章を長くするのは
①重要なポイントが多くてどうしても長くなってしまう時
②面白さに(自分なりに)自信があって文章を長くしても読んでもらえると思った時
③他に意図があってわざと長くしたい時(どういう時かは秘密)
などです。

根底には「短い方がわかりやすい」という考えがあります。


今日、EUREKAという映画を見ました。
青山真治監督の3時間37分の映画です。
バスジャック事件の被害者で、心に深い傷を負った幼い兄妹とバス運転手の
奇妙な共同生活、そしてあてのないバスの旅。

台詞もBGMも少なく
物語も淡々と進行していくので
決して3時間37分という時間を短くは感じません。

「面白かったから全然長く感じなかった」
という映画ではないと思います。

ただ、心に深い傷を負った人たちが
少しずつ癒され、かすかな再生のようなもの、たったそれだけのものへと向かうまでに
これだけの時間を必要とするのだということが
3時間37分という長さからよく伝わってきました。


長さに意味を見出して形にした青山監督に嫉妬してしまいました。