「マルジェラのショッピングバッグ」の補足

昨日の「マルジェラのショッピングバッグ」という記事で
「マルジェラのショッピングバッグはビニール袋がモチーフか?」という内容の発言をしたところ、
ブログを読んでくださっている方々から
「マルジェラは98年にビニール袋をモチーフにした服をリリースしている。」
というコメントをいただきました。

実際に見たことのない方からすれば
なんのことだか想像がつきづらいと思いますので
関連する画像を上げておきます
(情報は多くの人と共有したほうが楽しめると思うので)。

イメージ 1

画像は「デザインの現場」という雑誌の1998年10月号です。

この号の「マルタン・マルジェラの“平面”への挑戦」という3ページの記事の中で
マルジェラが98ssと9899awで発表したフラットクローズコレクションの
代表的な5点の衣服が紹介されています。

そのうちの1点がコメントをいただいた「ビニール袋をモチーフにした服」。

イメージ 2

この服については以下のような解説が付いています。



写真1、2は、先シーズン(98ss)発表したスーパーマーケットなどで配られる
ショッピングバッグをデザインしたTシャツ。
今シーズンは本当のプラスチック(日本ではポリエチレン製が多い)で作られた
ショッピングバッグも登場していた。
ショッピングバッグの形はユーモラスに見える面もあるが
丈の長いロングワンピースにデザインされたものは
アヴァンギャルドななかにもエレガンスが漂っていた。
素材とデザインによって「ショッピングバッグ」もさまざまな表情を見せるものだ。



どうやらマルジェラはビニール製のショッピングバッグを嫌いではないようです。


余談ですが記事の最後ではエイズTが登場。

イメージ 3

エイズTには以下のような解説が。



写真8のTシャツはエイズキャンペーンのためにデザインされたもので、
今では定番となっている。
メッセージがTシャツのネックラインにプリントされているために
着ることで首で隠れた部分のメッセージが読めなくなる。
あえて、コミュニケーションのきっかけになるように考案されたという。
平面であるTシャツが、着用されるという関係の中で成り立つ可能性を示唆していて
興味深いので、最後に紹介しておきたい。



フラットクローズとエイズTを結びつけたところに面白みがあると感じました。
こういうちゃんとした考察に基づいた記事がもっと増えることを願います。