Maison Martin Margiela 14 肘パッチカーディガン その3
こちらはマルタンマルジェラ ⑭ 肘パッチカーディガンです。
今期13ssの商品で、ボディーはカーキのようなくすんだグリーン、
パッチは薄い同系色の羊革スウェードです。
色味もスウェードパッチも好みだったので買ってみました。
さて、中間色のこの色味も魅力的なのですが
このカーディガンの最大の魅力は「細かすぎて伝わらないメゾンのこだわり」だと
僕は思っています。
このカーディガンの生地をよく見てみると、
表地の生地(画面左側)の織りを誇張して示すと
こんな感じ↓になっています。
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一方、裏地(画面右寄り、Vネックから覗いている部分)の織りは
こんな感じ↓になっています。
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他のカーディガンの生地を見てみましょう。
これは12ssのパッチカーディガンですが
表地の(画面左側)の織りが
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裏地(画面右寄り、Vネックから覗いている部分)のほうが
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になっています。
何が言いたいかというと
「今期のカーディガンは、パッチに裏革であるスウェードが使われているだけでなく、
ニットの生地まで裏表が逆に使われている」
ということです。
遠くから見ていたらまず気づかないと思います。
さらに肩の接ぎ方も見てみます。
これが今期のもの。
接ぎ合わせのラインがへこんでいます。
これが去年のもの。へこんでいません。
しかし内側を覗くと...
へこんでいます。
つまり、接ぎ合わせの仕方も裏表逆なのです
(というか生地を裏表逆にするとこう処理するしかない?)。
そのうえで、シームが外に出ないような処理まで施されています。
インサイドアウトというアイディア自体は割と一般的で
シームが外側に出ている服はそれなりに見かけますが、
こういう風に革・ニット・処理ともに裏側のものを使い、
かつそれをデザインとして前面に打ち出してくるわけでもない服というのは珍しい気がします。
この細かすぎて伝わらない感じ、
マルジェラファンで好きな方は多いのではないでしょうか。
ハンマースリーブではないですし、
前身頃が後身頃より明らかに短いアナトミックデザインでもありませんが、
それらを補う魅力のあるカーディガンだと思います。