逆三角形の積み木 マルタンマルジェラ エイズT チャリティー

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僕は服飾業界に関しては完全に門外漢です。
そのため今回の記事には推測に基づく、或いは誤った見解が含まれている可能性がありますので
ご注意ください。


今月20日繊研新聞の「どうするものづくり」という連載に
「逆三角形の積み木」という記事が掲載されていました。

この記事の詳細が気になる方は
僕もいつも勉強させていただいている
「ファッション流通ブログde業界関心事」さんをご参照ください。
サイトへのリンクはこちら↓
http://dwks.cocolog-nifty.com/fashion_column/



この記事で僕が「へー」と思ったのは以下の文章です。


百貨店に出店しているアパレルのブランドの販売する商品の小売価格が1万円だったとする。
百貨店の取り分をこのうち4500円として、
残り5500円のうち、
アパレルの取り分を自らのもうけのほか企画、開発、販売などの経費を含め3900円と仮定する。
すると仕入れ価格は1600円。
中国工場とアパレルの間を取り持っている商社の取り分を300円と考えると
工場は1300円で商品を作って日本に送る。
日中間の物流経費はセーター1枚あたりで170円程度。


上の記事から分かることは
一般的に、1万円の商品の原価(工場出し価格)は1130円程度だということです。
この概算が強ち大げさではないことは前述の
「ファッション流通ブログde業界関心事」さんも指摘されています。
もちろんユニクロのように
自社で企画生産販売までを一手に請け負い流通を一本化している企業はこの限りではないのですが。

この価格は工場側からすればかなり厳しいのではないでしょうか。
かといって3900円というアパレルの取り分を減らすのも厳しいのでしょう。



マルジェラも基本的に生産は外注していると聞いています。
エイズTは現在11500円。
上の記事は中国生産を前提にしており
エイズTはイタリア生産(つい最近まではチュニジア生産)なので
(マルジェラは直営店も持ってますし)
上述の概算を直接適用はできないのでしょうが
図式としては大差ないのではないかと推測します。

エイズTにおけるアパレルの取り分の一部をエイズ撲滅チャリティーにまわしているのでしょうが
上の概算を参照する限りでは1枚あたり
そんなに大した額をチャリティーにまわせるとは思えません。
一体いくらまわせているんでしょうか。
昔は売り上げの一割とか言ってましたが。。。


発売当初に比べればどんどん値上がりするエイズT。
今や当初の倍近い値段になっています。
表参道のGYREオープン記念ベージュ×黒エイズTに続き
クリスマス限定の白×銀エイズTも発売予定とか。

Tシャツの売り上げの一部をチャリティーに寄付するという
発想自体は素晴らしいし、啓蒙効果も決して小さくないと思います。

最終的にチャリティーに向かう金額が増えるなら
限定品化してプレミアム感を演出し販売量を増やしてもいい。
性交渉が増えるクリスマス(特に日本では)という時期に
エイズTを販売することにも意味があるでしょう。


ただ


商業主義に走ってチャリティーを忘れちゃっているわけではないよね?マルジェラさん。
価格上昇、限定エイズTの連発で少々不安ですよ。