ジョジョの奇妙な冒険 the book 乙一

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以前amazonで予約したとお伝えした乙一によるジョジョ第4部のノベライズ。

過去の記事へのリンクはこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/margielamarni/8552284.html

全然届かないなあと思っていたら手違いで予約できていませんでした。
なので書店で購入。


漫画のノベライズって難しいですよね。
原作の熱狂的なファンにはどんなものを出しても多かれ少なかれ叩かれるし。

僕もジョジョに関しては熱狂的ファンなので
この本に対する目はかなり厳しいと思います。


ただ、メディアが違えば読者の受ける印象が変わってしまうのは仕方ないので
原作と違う!!と闇雲に叩いても意味がない。

そこで僕はこの本を読む前に自分にあるルールを課しました。
多少の違和感こそあれ
読んでいる時に

ゴゴゴゴゴ...

という擬音が目に浮かんだら
この本はよしとしようと。



さて、結論から言うと

ゴゴゴゴゴ...

聞こえました!!



ついでに言えば

ドドドドド...も。

更に言えば

ズキュゥゥゥウン!!も。


なのでノベライズ本としては成功だと思います




僕は乙一
「夏と花火と私の死体」と「きみにしか聞こえない」しか読んでいなかったのですが
感想は「気持ち悪い」+「携帯小説っぽい」+「同人誌っぽい」で
あまりよい印象は持っていませんでした。

今回の本では乙一の気持ち悪さがジョジョの気持ち悪さとマッチしていてよかった。
人を殺せば悲しい物語になるっていう「携帯小説っぽさ」は健在で個人的には邪魔だと思う。
「同人誌っぽさ」はノベライズ本の同人誌的なポジショニングを
乙一自身がよく感じており既に消化済みのようなので
個人的にはそこまで排除してこその一作品だと思いますが
これはこれでいいと思います。


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以下ややネタバレですのでご注意を。


この小説のメインキャラクターのスタンドは
革張りの380頁の本、「the book」です。
そして乙一のこの本自体
作品の中に登場するスタンド通りの装丁とページ数になっています。

作品中に登場する本=今読者が手にしている本
というメタな構造は
古川日出男の「アラビアの夜の種族」等でも見られますが
なかなか面白いし、
今回の本に関しては装丁まで揃えているというところが素敵。
個人的には初版限定で本革張り(実際はビニール製)の本を出して欲しかった。
高くても僕ならそっちを買います。
ただ1500円と言う値段を考えれば
この装丁はよくできていると思います。


まとめますと
この乙一の本。
つっこみどころは少なからずありますが
ジョジョの原作好きなら
「買い」です。