ミハラヤスヒロ ドッキングジャケット

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画質が悪くて申し訳ありません。
こちらはミハラヤスヒロのジャケットです。
リリース時期はたしか2002AWだったと思います。
コットンジャケットの前合わせと袖の部分に
スウェットパーカを縫い付け
重ね着しているように見えるようにしてあります。

縫製が荒い点など
あまり作りがいいジャケットとは言えませんが
ジャケット、パーカ共に後染めがされており
染色学部卒のミハラらしい作品だと思います。
またカジュアルなのに袖口が本開きだったり
なんだか意味のわからないいい加減な感じが好きです。

ナンバーナインラフシモンズほど
表立ってではありませんが
ミハラヤスヒロはデビュー当初からマルタンマルジェラとの
類似性を指摘されてきました。

確かにマルジェラの前衛さやミハラの既成概念を打ち破ろうとする姿勢には
共通するものを感じますし、
会社名を9(ヌフ)とするマルジェラとSOSU(素数)とするミハラ、
転写、ドッキング、後染めなどの製品加工を好む点など
両者に類似点を見出すことは難しくありません。
例えば数年前に出たミハラのあぶり出しシリーズ。
私はこのシリーズを見ると
どうしてもマルジェラのフラット期の作品を連想してしまいます。

個人的な意見になりますがミハラの靴は
彼のオリジナル以外の何者でもないと思います。
非常に魅力的な靴を作るデザイナーだと思いますし
靴の既成概念を覆す
その感性には敬服いたします。

ただし服という点から考えれば
ミハラの服がマルジェラの影響を強く受けている、
もしくは模倣をしているという指摘があっても
仕方がない部分もあると思います。

靴と服におけるミハラの評価の違いは
ミハラの服作りには靴とは異なり確たるメッセージが感じ取れないことに
起因しています。
ミハラは服の既成概念を壊そうとしているようには見えない。

思うに初期のミハラにとって服とは
靴の延長であり、
彼は足元のデザインの延長として服を捉えていたのではないでしょうか。

近年服作りにもかなり力を入れている(はず)のミハラヤスヒロ
どこに向かうのか以前よりもやや離れたところから
見守って行きたいと考えています。