最小の手数

以前twitterに、マルジェラの昔のアーティザナルデニムパンツが
紹介されている記事へのリンクを貼った際、
「面白いね、最小の手数」
とコメントしたのが印象に残っています。

推測ですが、あのコメントの時、スケベニンゲンさんは
マサオシミズのデニムを念頭に置いてコメントをしていたんじゃないかと思います。


確かにマサオシミズの再構築デニムパンツは
マルジェラのアーティザナルに比べると手が込んでいる。
手数が多い。

これは僕も割と最初から感じていたことで
「考えて削ること」が必要ではないかと書いています。


ただ、最近は手数の多さがマサオシミズの魅力なんじゃないかと感じるようになりました。

マルジェラのリメイクは、本来のリメイクがベース。
古いジャケットを今風にサイズダウン。
破れやすい(あるいは破れてしまった)膝や肘にあて布。
お金がなくてレザージャケットを買えない学生が、ジャケットをペンキでペイント。
必然的なリメイクを昇華させたのが、マルジェラのアーティザナルと捉えることもできると思います。

一方、マサオシミズのリメイクは本当にリメイク。
古着を素材にして別物に作りなおす。


どちらがよいかは個人の好み次第ですが
マサオシミズの服を、もう少し手数を減らして作ってみてほしい
と考えるのは、マルジェラファンなら自然なことのように思います。
ただ、それはマルジェラの延長線上(強い言い方をすれば代替物)として
マサオシミズを見ているということでもあると思います。

僕は、マサオシミズの魅力の一つは
手数の多さ(とそれをシンプルにまとめる技術)だと思っているので
そっちを突き詰めてほしいなあと、思う今日この頃です(多方面に対し上からですみません)。