ヴィクター&ロルフ ロシアン・ドール

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久しぶりにヴィクター&ロルフの公式HPに行ってみたら
また大分変わっていました。
公式サイトへのリンクはこちら↓
http://www.viktor-rolf.com/_en/_ww/index.htm

過去のコレクションがアーカイヴとしてすべて見れるようになっているのは嬉しい限り。

やはり見るなら1999年の「ロシアン・ドール」だろうということで早速見てみました。


回転するステージに立つモデルに
次々と服を着せ付けていく男性2人。
1人はメガネをかけていないので一瞬誰かわかりませんでしたが
よく見るとデザイナー本人達でした。若い!

モデルは
まず麻のワンピースを着せられ、
次いでビーズ付き刺繍ドレス、
さらにその上にスパンコールドレス、
といった具合にどんどん装飾性の高いアイテムで
幾重にもその身を包まれていきます。
そして度重なる重ね着の最後(合計9枚)には
シンプルなケープがかけられます(その状態が上の画像)。

すべての服を着せ付けられたその姿はさながら鉄の処女↓のよう。

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装飾性の高い服に身を包み着飾っていくほどに
身体の活動性が制約され
まるでオブジェのような存在になっていく。
ひょっとしたら鉄の処女のように中の人間は悲鳴を上げているのかも。

デザイナーの意図は不明ですが
実用性というところから遠く離れたところまで来ている(来てしまった?)
現代ファッションの特徴を示唆しているようにも思えます。


このロシアン・ドールコレクションからもうすぐ10年が経とうとしていますが
近年のコレクションでは
不況の影響もあってか実用性の高いコレクションを発表するブランドが多くなっていると聞きます。

ひょっとしたらここ数十年のうちでは90年代が
ファッションが実用性から一番遠くにあった時期なのかもしれません(詳しいことはよく知りませんが 汗)。